
私たちは心に突然訪れる事変のような感情に心を奪われがちです。事変とは予期せぬ大きな出来事を言いますが、そんな心と向き合うきっかけとなるお菓子を作りました。自身の感情に気づき、手放すことで、平穏な日常を取り戻してほしいという願いを込めて腹黒事変と名付けました。日本の小さな芸術を味わいながら、心の変化を感じて頂けたら、これ以上の喜びはありません。兎にも角にもこのお菓子が口福を運んでくれますように。

「腹黒事変」の菓子には、ユニークなネーミングと深い意味が込められています。「兎にも角にも願いを叶え鯛」や「升々めで鯛」など、菓子名は願いを叶えるというテーマに基づいており、仏教用語や縁起の良い言葉が使われています。
例えば「兎に角」は仏教用語の「兎角亀毛」(とかくきもう)が語源で、うさぎには角はないし、亀の甲羅には毛が生えていないという意味で、この世に存在しないものを例える言葉ですが、菓子名では「現実には存在しない」「願いを叶えたい」という創造を表しています。また、「升々」は、より良い状態へと発展していくことを意味し、菓子を食べることで、願いが実現へと繋がっていくという可能性を表しています。